ニッケル板を電池に溶接しているお客様から、「ニッケル板と電池が溶接されないで、電極がニッケル板に溶着してしまうのですがどうしたらよいでしょう」というお問い合わせを頂きました。
電極先端部の形状を伺ったところ、購入時の状態、つまり、鉛筆状に尖らせた状態ということでした。
電極が溶着する主な原因は、電極先端の温度上昇により、電極そのものが溶けてしまうことにあります。これを避けるためには、電極の材質をより融点の高いものに変える一つの方法ですが、電極先端から熱が逃げやすい形状に変更することでも劇的な変化が期待できます。
後者については、電極先端を鋭角から鈍角に、先端は、尖らせるのではなくできるだけ太めにすることです。先端を半球状に丸くしても、接触するのは1点で、鋭角の場合とスポット径はほとんど変わりませんが、生じた熱は太い部分に効率よく伝わり放熱されるため、溶着することが少なくなります。 ただし、溶接ポイントが見にくかったり、2本の電極を近づけることが困難であるなどの問題も生じますので、この辺も勘案して先端形状を決めてください。
電極形状についての図・写真をYokodai.JP「HSWシリーズパーソナルスポット溶接機の使用方法 (電極編)」にも掲載していますのでこちらもご覧ください。
電極が何故溶接されないのかわかりました。