よくある質問 技術編
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Q1 溶接ペンの先がニッケルタブに溶着する |
A1 バッテリータブの溶接では、①溶接ペン → ②ニッケルタブ → ③バッテリー → ④ニッケルタブ → ⑤溶接ペン のように電流は流れます。スポット溶接は抵抗溶接なので、 電気抵抗のある場所に熱が発生します。つまり上記の場合、①②間と④⑤間での発熱により、ペン先が 溶着することがあります。この場合は、溶接電極先端部分での発熱量を下げ、かつ溶接ペンの放熱効率が上げる 必要があります。具体的には、まず、電極のの押下圧力を強くしてください。次に紙やすり等で溶接ペンの先端部分を削り、電極先端の熱が逃げやすくしてください。さらに改善するためには、PSW-P2溶接スティックまたはPSW-H3タブ用ワンハンド電極を使用してください。 ※電極先端形状については、こちらに記述があります。
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Q2 バッテリーにタブを溶接したのですが、力を加えると外れる |
A2 古いバッテリーにタブを溶接する場合や、HSW-01Aで0.15mm厚のニッケルタブを溶接しようとした場合などに発生することがあります。この場合は、ニッケルタブに切り込みを入れることによって解決することができます。これは、ニッケルタブ内に流れる電流を 抑制し、バッテリーとタブ間の電流を増やしますので非常に効果的に働きます。市販の組バッテリー でもこの方法が採用されております。また、ペルチェ効果により吸熱反応が発生する側では、温度が上がりにくく溶接部が外れやすくなります。電極に十分圧力を与え溶接してください。それでも溶接しづらい場合は、+極と-極の電極を反対に当てて再度溶接をしてください。バッテリタブの溶接についてのページをご覧ください。 ※電極先端形状については、こちらに記述があります。
バッテリータブ溶接の際に、スプラッシュが発生する主たる要因は、電極の押下圧力不足、特に、2本の電極の片方の圧力が気づかないうちに低下する場合です。
これを避けることのできる、「電池タブ用ワンハンド電極」を開発いたしました。バッテリータブ溶接が多い用途には、是非採用のご検討を頂きたいと存じます。 |
Q3 古い電池にタブが溶接しにくい |
A3 ①古いバッテリーの場合は、電極の酸化が進んでいますので、付属のクリーナー等で、酸化膜を除去してから溶接してみてください。
②タブの先端に切り込みを入れて溶接してみてください。<詳細>
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Q4 0.2mmのステンレス線を溶接すると溶断する |
A4 HSW-02Aでは、パルス幅調整ボリウムを反時計方向に回して、通電時間を短くしてください。さらに絞りたい場合や、HSW-01Aをご利用の場合は、HSW-PC1を付加して、電圧調整を行なってください。 |
Q5 電極が溶着するのですが |
A5 ①電極を強く押さえて、押下圧力を上げてください。<詳細> ②電極先端を放熱効果の高い形状にしてください。劇的に溶着は少なくなります。<詳細> ③電極の極性を変えてみてください。<詳細>④溶着しにくい電極・溶接対象の金属に適した電極を使用してください(PSW-P2の利用)<詳細>
※電極先端形状については、こちらに記述があります。 |
Q6 溶接時に火花が飛び、音が大きい |
A6 ①電極の押下圧力が不足した場合 ②金属表面に油脂分が付着している場合 に、スプラッシュが飛ぶことがあります。(写真右下)溶剤もしくは付属のクリーナで、電極先端とワーク(溶接する金属)表面の油脂分を取り除いてから、強めに電極を当てて溶接してください。
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Q7 溶接ペンの先が摩耗してきたのですが |
A7 先端部を付属のクリーナーか、400番程度の紙やすりで研磨してください。先端部が大きく損傷した場合は、ヤスリで整形してください。 電極損傷の主たる原因は、不適切な電極先端形状と押下圧力不足です。頻繁に溶着する場合は、PSW-P2溶接スティックの利用を検討してください。
※電極先端形状については、こちらに記述があります。
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Q8 銅やアルミは溶接できますか |
A8 銅やアルミは、電気を流しやすい性質であるため、発熱が少なく溶接は困難です。それでも、薄板(箔)や細線などは可能です。詳しくは<こちら>をご覧ください。 |
Q9 溶接強度を上げるために、30Vの電源を接続できますか |
A9 HSW-03機は30V電源ですが、HSW-01A,HSW-02A機は24V仕様なので30V電源は接続できません。直流24V以上の電源電圧を使用することは、たとえ1VのUPであっても溶接機内部にある制御素子の破壊につながります。HSW-01A、02Aシリーズ溶接機に標準装備の24V電源ユニットをご使用ください。 |
Q10 市販の可変定電圧電源を接続して使用できますか |
A10 電源電圧としては、HSWシリーズの最大定格内ならば使用可能です。ただし、通常の可変定電圧電源は、電圧を低下させた場合、溶接機内部の電圧を低下させる能力はありませんので、最悪の場合、定電圧電源を破損する恐れがあります。電圧を調整する場合は、HSW-PC1パワーコントローラを電源ユニットと溶接機本体の間に入れてください。 |
Q11 電池で溶接機を駆動できませんか |
A11 1.2Vのニッカドやニッケル水素充電式電池を使用して24Vを得るためには19本の電池を直列接続しなければなりません。この場合、全セルの特性が揃える必要がありますので、市販の電池を利用する場合、100本以上の電池からセレクトして構成するようになりますが実用的ではありません。単3型ニッケル水素電池4本で24Vを生成する電源を用意しております。<こちらをご覧ください> |
Q12 溶接電極へのケーブルをもう少し長くできませんか。 |
A12 溶接エネルギーの損失をできるだけ抑えるために、電極へのケーブル長は必要最低限の長さに制限しております。ケーブル長を延長することは可能ですが、溶接能力が低下します。 |
Q13 溶接中に電極に触れても感電しませんか |
A13 HSWシリーズスポット溶接機では、電極に印加される電圧は最大でも24ボルトであり、世界各国で安全電圧(日本は50V以下)と呼んでいる電圧内に収まっております。(HSW-03機は電源電圧30V)その上、通常の使用では、使用者が電圧の印加された溶接電極に触れることが無いように配慮しております。このことから使用電圧が24ボルトから30Vで設計されたHSWシリーズスポット溶接機は、作業者の不注意から、通電された電極に触れた場合でも安全が確保されております。 ただし、心臓疾患を有する方のご使用や、水に濡れた手で溶接電極を操作することは、安全電圧とはいえ生命への危険を伴う可能性がありますので、溶接時には電極に触れることがないようにご注意ください。 |
Q14 熱電対の溶接時に
電圧を上げると溶断し、
電圧を下げると溶接で
きないことがあります。
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A14 熱電対も、溶接時に”ペルチェ効果”が現れます。そのため、発熱側となる電極にに溶けやすい金属を位置させると溶断してしまいます。”電圧を上げると溶断し、下げると溶接不能”
といった状況が出た場合は、電極の極性(+赤-青)を反対にしてみてください。 ペルチェ効果の発熱側と吸熱側が反転し、溶接しやすくなります。押下圧力も変えてみてください。 |
Q15 HSW-03のファン音が大きくなり、LCDパネル左上に「*」表示が出る |
A15 HSW-03の保護回路が動作します。HSW-03(シリアル番号30100以降)には、高温下の使用や連続使用に対応できるよう、電力制御素子の保護回路が強化されております。動作については次の通りです。通常25℃以下の起動時においては、空冷ファンは停止もしくは低速運転状態ですが、大電流を必要とする溶接作業を続け電力制御素子の温度が上昇すると空冷ファンは増速し素子の温度を下げようとします。この時、LCDパネル左上に、ファンの増速を示す「*」が表示されます。この状態でさらに溶接を続けると、次の溶接までの時間間隔を次第に長くして、電力制御素子の温度上昇を抑えますが、「 H 」が表示された場合は、トリガーを強制的に中断させ、素子の温度が安全領域に低下するまでの間、溶接不可となります。この場合は、「H 」「*」表示が消えるまでの数分間、電源を切らずに溶接作業を休止してください。保護動作は自動復帰いたします。 |
Q16 電極の溶着低減策 |
A16 > 溶接ペンを押し当ててトリガースイッチを押すとニッケル板が溶接ペンに溶着してしまい、取り外そうとすると溶着してほしい部分が先に剥がれてしまいます。
バッテリータブの溶接では、①溶接ペン → ②ニッケルタブ → ③バッテリー → ④ニッケルタブ →
⑤溶接ペン のように電流は流れます。弊社Webページにもありますが、スポット溶接は抵抗溶接で、
電気抵抗のある場所に熱が発生します。つまり上記ご質問の場合、①②間での発熱により、ペン先が
溶着することがあります。この場合は、溶接ペン先端部分での発熱量を下げ、かつ溶接ペンの放熱効率が上げる
必要があります。具体的には、付属のクリーナーもしくは紙やすりで溶接ペンの先端部分を若干削り、
接触面積を増やしてください。また、溶接ペンの押下圧力を多少上げるのも効果があります。
しかし、この方法を試す前に、次の2つを実行する価値があります。
ひとつは、古いバッテリーの場合は、電極が酸化していますので、付属のクリーナー等で、酸化膜を除去してやる方法です。溶接強度もあがります。また、電極先端形状を整えることも重要です。※電極先端形状については、こちらに記述があります。
もう一つの方法は、ニッケルタブに切り込みを入れる方法です。これは、ニッケルタブ内に流れる電流を
抑制し、電池電極とニッケルタブ間の電流を増やします。この方法は非常に効果的に働きます。市販の組バッテリー
でもこの方法が多用されております。詳しくはこちらのWebページをご覧ください。
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Q17 激しい火花が発生します。スプラッシュを低減させる方法はありますか? |
A17> HSW-03型スポット溶接機では、ダブルパルスモード(Double Pulse)を使用することにより、予備溶接・主溶接が自動化されます。さらに、HSW-03機では、シームモードを利用して、パルス幅・電圧を可変(手動)しながら、連続して複数回の溶接を行うことが可能です。
電極先端形状を整えることも重要です。※電極先端形状については、こちらに記述があります。
バッテリータブ溶接の際に、スプラッシュが発生する主たる要因は、電極の押下圧力不足、特に、2本の電極の片方の圧力が気づかないうちに低下した場合です。
これを避けることのできる、「電池タブ用ワンハンド電極」を開発いたしました。バッテリータブ溶接が多い用途には、是非採用のご検討ください。
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Q18 PSW-H3のスポット間隔
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A18> PSW-H3タブ用ワンハンド電極は、電極先端の整形により約2~4mmの間で調整可能です。 これを外れる場合、PSW-P2電極の使用にて電極間距離は任意となります。 |
Q19 PSW-H3 の寿命 |
消耗品としてPSW-H3 の寿命はどのくらいでしょうか?
A19> 使用度数の増加と、電極圧力不足で発生するスプラッシュにより 電極先端部は損耗します。電極先端からグリップまでの長さは、約 55mmありますので、30mm程度は、電極をヤスリで研磨・整形する ことにより回復・再使用可能ですので、かなりの長期間使用可能で す。 よって、電極の寿命は、一概に何年とは表現することができませんが、発売より5年以上経過しますが寿命交換のお話はございません。 |